大豆の農学的原則

土壌水分の要件

以下2つの生育ステージで水分の要求量が高まります。



1. 発芽-出芽(VE-VC)
2. 開花(R1-R2)–着莢(R5)

発芽から出芽の間は苗立ちを良くするために重要な期間であり土壌水分が過剰となっても不足してもいけません。
大豆の種子が確実に発芽するためには種子重量の少なくとも50%の水分を吸収させる必要があります。 この段階では土壌水分は植物が吸収出来る最大含水量を100%とした場合、50%以上85%以下の水分量を保つことが重要となります。

大豆の水分要求量は生育とともに増加します。開花から着莢の時期に最大に達し、その後減少に転じます。 開花から着莢の時期に水分が不足すると気孔の閉鎖などの植物の生理現象を引き起こし、その結果葉と花の早期落下・着莢不良に繋がり収量減となる可能性が高くなります。

最大収量を得るための大豆の水分要求量は、気候条件、肥培管理、生育期間延長の影響を受けて、生育ステージごとに変化します。 水不足の影響を最小限に抑えるためにはその地域と土壌環境に
適した品種を栽培することが推奨されます。 適切な土壌水分条件下に時機を逃さず定植し、土壌水分を適切に保つための土壌の物理性の改善も重要なポイントになります。

温度と日長の要件




大豆は華氏68°F~86°F(摂氏20℃~30℃)の気温下で良く成長します。大豆の生育気温としてベストは30℃前後です。 地温が68°F(約20℃)未満の場合、発芽と出芽に悪影響を与える可能性があるため定植は避けた方が無難です。地温 77°F(約25℃)が迅速に発芽させ、苗立ちを良くする為に最適な地温です。 大豆の栄養成長は気温50°F(約10℃)以下ではゼロか非常に限られた成長しかしません。気温が105°F(約40℃)を超えると成長速度に悪影響を及ぼし、開花障害と着莢率低下を引き起こします。 高温に水不足も加わると高温障害の度合が更に深刻になります。

大豆の開花は55°F(約13℃)を超える気温になって起こります。 開花日の違いは主に温度変化が原因です。 早期の開花は主に高温が原因で発生し作物の丈が低下する原因になることがあります。また生育ステージで水や日照が不足すると問題をさらに悪化させる可能性があります。 同一圃場・同一播種条件でも品種によって開花日に違いが出ますが、これは品種によって日長(日長)に対する反応の違いによるものです。
高温が続くと成熟を加速させる可能性が高まります。 高温期に湿度も高いと種子(大豆)の品質を低下させる可能性が高まります。反対に湿度が低いと収穫機(ハーベスター)で収穫する際の損傷が出やすくなります。収穫時期に低温で湿度が高いと収穫の遅れ・青立ちが発生する要因となることがあります。

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本記事は、Yara米国法人提供の農業科学情報をGRWRSが翻訳、記事化し掲載しております。

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