消費税の軽減税率制度と農業について

概要

2019年10月1日に消費税率が10%に引き上げられることに伴い、低所得者の負担を軽減するため飲食料品と新聞に対する軽減税率(8%)制度が実施されます。また、2023年10月から適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されます。これにより、飲食料品の売上がない事業者や消費税の免税事業者でも対応が必要となる場合があります。

軽減税率実施スケジュール

~2019年9月30日 2019年10月1日~ 2023年10月1日~
消費税率 8%
(国6.3%・地方1.7%)
標準税率10%(国 7.8%・地方 2.2%)
軽減税率 8%(国6.24%・地方1.76%)
仕入税額
控除要件
請求書等保存方式
※免税事業者からの仕入れ税額控除可
区分記載請求書等保存方式
※免税事業者からの仕入れ税額控除可
適格請求書等保存方式
※免税事業者からの仕入れ税額控除不可*
請求書等の
発行義務
請求書等の交付義務なし
免税事業者も発行可
適格請求書等の交付義務あり
免税事業者は発行不可

*一定期間において免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置があります。

軽減税率の対象品目

農業経営者の方は、免税事業者の方も含めご自身が取り扱う農産物等が軽減税率の対象になるかどうかを知ることが重要です。
軽減税率の対象は、「飲食料品(酒類及び外食を除く)」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」です。この飲食料品は、人の飲用又は食用に供されるもの(食品表示法に規定する食品)です。

軽減税率(8%適用) 標準税率(10%適用)
・米 ・酒米 ・野菜 ・果物
・花(食用) ・製菓材料の種子
・食肉
・農家レストランの弁当の「持ち帰り販売」
・農産物価格に含まれている場合の送料
・農産物価格に含まれている場合の包装代
・いちご狩りで採ったいちごを土産用に販売
・飼料用米 ・種もみ ・日本酒
・花(観賞用) ・栽培用種子 ・苗木
・肉用牛などの生きた家畜
・農家レストラン内での飲食(外食)
・農産物と別に請求する場合の送料
・農産物と別に請求する場合の包装代
・いちご狩りの入園料 ・販売等手数料

出所:農林水産省資料

 

石井宏(石井宏税理士事務所)

東京都武蔵野市にある税理士事務所です。最寄駅はJR中央線・京王井の頭線の吉祥寺駅で、住みたい街ランキングの上位に選ばれる人気の駅です。井の頭公園など、自然や公園が多いことや商業施設や飲食店が充実しているのが特徴です。

現在、上場会社の関係会社からオーナー系中小企業、不動産オーナーなど、様々な規模の法人個人の税務、会計の関与をさせていただいております。また、資産税(相続・贈与・譲渡等に関する税金)に関する相談においても多数実績がございます。

農業の事業や法人化について、税務・会計分野のサポートをさせて頂きたいと思っております。(現状、農家や法人組織等を合わせた農業経営体数は一貫して減少していますが、農業経営体のうち、法人経営体数は増加傾向で推移しております。)農業を法人化した場合にはどのようなメリットがあるのか?デメリットはないのか?さらには将来の事業承継のビジョンまで、専門的な立場から経営者の皆様と共に考えていきたいと思います。

(日本政策金融公庫 農業経営アドバイザー試験合格者)
(一般社団法人全国農業経営コンサルタント協会正会員)
ウェブサイト:https://141tax.com

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