ビートに必要な栄養素

ビートから可能な限り最高の結果を得るには、主要栄養素と微量栄養素の正しいバランスが不可欠です。

一つの栄養素が不足するだけでも収量を大きく落とす原因になりますが、各栄養素がビートの必要としているときに取り込まれる状態になっているかということも収量に大きく関係します。 栄養素の吸収と除去をじっくりと観察することによって各栄養素の役割を知ることが出来るとともに、どの栄養素がどの成長段階で必要なのかということを明らかすることが出来ます。


ビートの栄養素別の吸収曲線
縦軸:ビート(根)と葉に含まれる栄養素量(kg/ha)
横軸:播種後の経過月数
N(窒素)、P2O5(リン酸)、K2O(カリウム)、MgO(マグネシウム)


ビートの主要栄養素吸収量
縦軸:吸収量(kg/ha)
横軸:出芽後の経過日数
K2O(カリウム)、N(窒素)、Na2O(ナトリウム)、MgO(マグネシウム)、P2O5(リン酸)

これらのデータは、窒素とカリウムの早期摂取の重要性と必要とするときにその栄養素がビートにすぐに取り込まれる形態になっていることの重要性を示しています。

主要栄養素

ビートで高収量を維持するためには窒素とカリウムが最も多く必要です。
栄養素が最大に必要とされる時期は播種後約3〜4か月です。上のグラフはリン酸(P)とマグネシウム(Mg)の吸収が非常にゆっくりと進行することも示していますが、若いビートの根にはこれら二つの栄養素の吸収能力が限られているためです。 リン酸は水溶性リン酸の形態で土壌中に入れ込むことが特に重要になります。
ビートは硝酸態窒素を好むので硝酸態窒素の比率が高い窒素肥料を使用するのが望ましいです。 窒素の追肥は播種後90日以内までに留めた方がいい結果となる場合が多いです。 ビートに窒素とタンパク質が過剰に含有されると糖度に悪影響を与えるため、窒素供給は生育期間が残り3分の1になった段階で切るべきです。
ビートの潜在的な収量と各栄養素が除去される数値は場所や季節によって異なりますが、以下はビートの収量と各栄養素の除去量のガイドラインです。

各栄養素別の除去量(収量:ビート(根)50t/ha、(葉)40t/haの場合)

縦軸:最上段 根から除去される量 中段 葉から除去される量 最下段 合計除去量
横軸: N(窒素)、リン酸(P)、カリウム(K)、Na(ナトリウム)、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、S(硫黄)、B(ホウ素)、Mn(マンガン) 
(単位はホウ素とマンガンのみg/ha、その他栄養素はkg/ha)



微量栄養素

ビートはかなりの量の微量栄養素を必要とすることが分かっています。 特にホウ素(B)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の要求量が高いです。 以下の表はビートに含まれる微量要素の含有量と除去量の平均値を示しています。
マンガンは土壌から栄養素吸収効率が落ちる中性からアルカリ性のpHのときに施肥によって補うことが効果的です。亜鉛と銅も土壌のpHが上昇するにつれて吸収されにくくなります。


ビートの微量栄養素除去量(収量50t/haの場合)
横軸:左:栄養素   センター:1kg中の栄養素含有量(mg)   右:栄養素除去量(g/ha)
B(ホウ素)、Cu(銅)、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Mo(モリブデン)、Zn(亜鉛)

Yaraがビートに推奨する肥料

YaraMila コンプレックス217
12(うち硝酸態窒素5)-11(うち水溶性リン酸7)-17(水溶性カリ)+20%S03-NPKが一粒一粒に配合された高度化成肥料。苦土(マグネシウム)と硫黄に加えて微量要素が入っており、露地、ハウス栽培作物に幅広く使えるオールラウンド肥料です。

YaraMilaスプリンター
20.5(うち硝酸態窒素9.5)-7(うち水溶性リン酸4.5)-14(水溶性カリ)+カルシウム3%配合の高度化成肥料。小麦などの穀物にも適しておりますが、窒素とカリウムの要求量が高いビートにも最適な肥料です。

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本記事は、Yara英国法人提供の農業科学情報をGRWRSが翻訳、記事化し掲載しております。

Yara International ~世界最大の老舗肥料メーカー~

Yara Internationalは、ノルウェーに本社を置く世界最大の老舗肥料メーカー。
しかし、ただ肥料を供給しているだけではありません。世界人口の増加や 異常気象・地球温暖化といった問題により生産環境・食料事情が厳しくなる中で、「環境に優しい農業」をどうやって実現するのか?という課題に取り組んでいる「環境企業」でもあります。

また、Knowledge Grows というスローガンのもと、100年を超える長い歴史を通じ、世界各国の農業者にアグロノミー(農業科学)の最先端の情報を惜しみなく提供してきました。肥料メーカーでありながら、その本質は情報提供者であり地球環境を真剣に考える教育者・啓蒙者でもあります。

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