心腐れは、キャベツ、カリフラワーおよびブロッコリーに起こる生理障害であり、カルシウムおよびホウ素の欠乏または窒素の過剰施肥と関連している事が多いです。心腐れは、寒い時期の後の大雨や暖かい天候によって急速に作物の生育が進む時期に多く発生する傾向があります。このような状況では、作物の成長が急速であるのに対して、カルシウムとホウ素の作物吸収が追いついていないとこれら栄養素が希釈されてしまうため、その結果として細胞壁が強度と弾力性を失い、細胞破壊や芯の割れが起こります。
心腐れは、傷ついた中果皮が褐変、軟化、または腐食することによって組織内に亀裂が発生して起こる現象です。カルシウムとホウ素の欠乏は、一般的に酸性土壌、砂礫土壌で発生する事が多いです。アブラナ科の作物は、ホウ素を高いレベルで吸収することが出来ますが、それによって毒性が出るという事は稀です。
アブラナ科の作物の心腐れに対する作物栄養
カルシウムおよびホウ素は、強くて弾力性のある細胞壁を作るため、また作物の障害を最小限に抑えるために不可欠な栄養素です。カルシウムとホウ素は、芯の割れ、心腐れを最小限に抑え、収穫後の長期保存性を保つ上で重要な役割を果たします。
アブラナ科の作物の心腐れを防ぐための他の要因と手立て
土壌の水分利用が不十分な状態で、急激に高温になったり強い雨が降ったりすると、茎の割れや組織損傷が起こります。水やりのスケジュールと作物が生育後期に入ったときの水の管理に十分に注意を払う必要があります。
本記事は、Yara英国法人提供の農業科学情報をGRWRSが翻訳、記事化し掲載しております。