アブラナ科作物にはロケットスタートが重要

アブラナ科作物は定植後なるべく早い段階で完璧な作物冠を作ることが非常に重要です。そうすることでその後の生育ステージ期間中にわたって作物の成長を促進する成長エンジンとなる光合成を生み出す健全な葉の部分を維持することにつながってくるからです。

窒素不足は収量減・収穫の遅れにつながります

キャベツの生育初期促成と窒素源

縦軸:乾燥重量(発芽後12日)
横軸:アンモニア態窒素と硝酸態窒素の比率



ブロッコリーの生育促成のための窒素効果

左縦軸:50%収穫までに要する日数 
右縦軸:収量(トン/ha) 
横軸:窒素量(kg/ha)



ブロッコリーとキャベツの窒素吸収量カーブ

縦軸:窒素吸収量(kg/ha/一日当たり)
横軸:定植後経過週数




生育が早いタイプ(例:カリフラワー・ブロッコリー)は生育初期のステージで窒素の吸収量が高いため、生育初期に窒素の要求量が高くなります。
一方で生育に時間がかかるタイプ(例:キャベツ)、特に気温・光合成などの代謝が相対的に悪い時期に栽培する場合はより長い期間窒素が作物に吸収される形で供給を続けることが高収量の秘訣となります。

ブロッコリーの収量と生育初期窒素量の関係

縦軸:収量
横軸:定植時+追肥の窒素量合計(kgg/ha) 
(濃青線は定植時に15kg/haの窒素を投入した場合、淡青線は定植時に50kg/haの窒素を投入した場合)




外葉への十分な窒素供給を確保することにより、外葉が順調に発達し栄養分の吸収・同化を早め、また高収量に不可欠な窒素を再分配することにより後の生育ステージでの成長をサポートします。 生育初期の段階で外葉に窒素の送り込みに失敗するとアブラナ科作物の収量は低下します。 後の生育ステージで施肥を試みたとしても初期生育のロスを挽回することはできません。

カリはアブラナ科作物の初期生育を確実にするために必要な栄養素です

ブロッコリーのカリ吸収量

左縦軸:カリ吸収量(kg/ha)
右縦軸:総生産量(トン/ha)
横軸:播種後経過日数(Head formation =花蕾形成)




カリは植物のエネルギー状態に重要な役割を果たします。 アブラナ科作物はカリの必要量が比較的高く、作物収量1トンあたり約2.7-5.1 kgのカリが必要です。 カリは作物体内に取り込まれてはじめて作物の成長につながるため、作物が必要としているタイミングでカリの供給が行われることが重要となります。
225 kg / haのカリの投入量がキャベツで行った試験では作物の総収量を上げる黄金比率となっています。

キャベツでのカリ投入量と収量の試験結果

縦軸:収量(トン/ha)
横軸:カリ投入量(kg/ha)



カリフラワーでのカリ投入量と収量の試験結果

右縦軸:収量(トン/ha)
左縦軸:花蕾重量(g)
横軸:カリ投入量(kg/ha)



アブラナ科葉物野菜でのカリと収量の試験結果

左グラフ:縦軸:カリ含有量(%) 横軸:SOP(硫化ベースカリ)の濃度
右グラフ:縦軸:収量(トン/ha) 横軸:SOP(硫化ベースカリ)の濃度



Yaraがアブラナ科の作物に推奨する肥料

YaraMila コンプレックス 217
12-11-17 + 20% SO3 – NPKが一粒一粒に配合された高度化成肥料。苦土と硫黄に加えて微量要素も入っており、元肥・追肥として露地・ハウス栽培作物に幅広く使えるオールラウンド肥料です。

YaraMila コンプレックス L366
23-6-6 + 可溶性カルシウム4.85% –即効性の硝酸性窒素と肥効が長続きするアンモニア性窒素がバランス良く配合されているL型肥料です。気温・地温が低く窒素が効きにくい時期に特に効果を発揮します。

YaraLiva トロピコート
15.5% N + 26% Ca –粒状硝酸カルシウム肥料で作物に速やかに吸収される硝酸態窒素に水溶性の硝酸カルシウムにホウ素が添加された粒状化成肥料。
散布し易い様に表面が植物油脂でコーティングされており、土耕栽培作物全般に適しております。

YaraLiva ニトラバー
15.5% N + 26% Ca + 0.2% B –作物に速やかに吸収される硝酸態窒素に水溶性の硝酸カルシウムにホウ素が添加された粒状化成肥料。土耕用の作物全般に適しておりますが、特にアブラナ科作物のカルシウム・ホウ素欠乏対策に有効です。

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本記事は、Yara英国法人提供の農業科学情報をGRWRSが翻訳、記事化し掲載しております。

Yara International ~世界最大の老舗肥料メーカー~

Yara Internationalは、ノルウェーに本社を置く世界最大の老舗肥料メーカー。
しかし、ただ肥料を供給しているだけではありません。世界人口の増加や 異常気象・地球温暖化といった問題により生産環境・食料事情が厳しくなる中で、「環境に優しい農業」をどうやって実現するのか?という課題に取り組んでいる「環境企業」でもあります。

また、Knowledge Grows というスローガンのもと、100年を超える長い歴史を通じ、世界各国の農業者にアグロノミー(農業科学)の最先端の情報を惜しみなく提供してきました。肥料メーカーでありながら、その本質は情報提供者であり地球環境を真剣に考える教育者・啓蒙者でもあります。

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